2002/11/15(金) 柿くう。

今遠くにいってる兄ィちゃんが、
ぎんなんを送ってくれると言ってたのが今日届いた。
ゆうパックの段ボール箱(小)ずっしり。
開けて見ると
まず紅葉した落ち葉が出てきて
柿がみっつ入ってた。
ぎんなんもたっぷり入ってた。
食べ過ぎに注意と手紙もそえてあった。腹こわすよ、と。

柿は「アホほどなってる」んだそうだ。
夜7時にバイト先で差し入れのタコ焼とコロッケを食べただけだったので今頃お腹がすいてきて柿をひとつ剥いて食べている最中。わたし好みのかたくて種のあるやつだった。今読み返してるのが93年のノート。なんかねー、詞みたいなものが出てきたから書き写しとくかな。これも多分捨てちゃうからね。はずかしいのう。若いのぅ。

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彼女はいつだって
あいつを見てた
ステージの上の
あいつを見てた
一番前の席でさ
大きな目をして
見つめていたよ

あいつだって
彼女のことが
好きだったはずさ
何度も
「ありがとう」って
言ったはずさ
お茶をごちそう
したこととだって
あるし
ライブの後は
よくみんなで
お酒をのんだものさ

友達って
呼んでも
良かったかもしれない
あの頃だったら
でも
あいつは遠くに住んでて
会えるのは
ライブの時ぐらいだった
だから あのこは
ファンになっちゃったんだ

あいつの歌を
ウォークマンで録音してさ
会社の行き帰りの電車や
バスの中で聞いたんだ
お茶を飲んだりした時の
たわいのない会話を
何度でも思い出したし
打ち上げでとなりの席に
なった時ふれた足のことなんかを
考えてドキドキしたものさ

心をあずけちゃったんだ あいつに

だから彼女の心は
いつでも留守で
もどってくるのは
あいつの歌を聞いている時
だけなんだ

だから彼女が
生きてるってかんじるのは
あいつの歌を聞いてる時
だけなんだ

いちばん大切なものを
あずけちゃったんだ

あいつの作る歌が
好きだったんだ
それを聞いて
信用したのさ
何もかも全部
大切なものは
あずけちゃったのさ

だから他の人をすきになろう
としてもだめなんだ
からっぽの心じゃ
恋はできないもの

ともだちは電話で
なぐさめてくれるけど
でも 彼女の心にまでは
届かないんだ
彼女の中ではいつでも
あいつの曲が
流れてるから

友達だったら
もう絶交してしまうような
ひどいこと言われても
彼女はライブに
足を運ぶんだ
だってあいつのファンなんだから

あこがれという距離が
彼女からあいつを遠ざけている
あいつは彼女から遠ざかろうとする

何故?
昔の自分から逃げたいから
昔の自分がきらいなのかな
今の自分がきらいなのかな
以前の自分をきらいなのかな

あの頃つくった歌はもう
歌わないの?

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長げぇな。
まだまだだらだらつづくんだこれが。当時の親友に感情移入して書いたらしい。今はそうは思わない、という部分はあるな。友達は友達、ファンはファンだろう。ただわたしも「強い憧れ」という感情を持っていたからファン心理というものは理解できるのだが。93年。片想いばかりしていた。ストーカーという言葉は流行ってなかったがそれまがいの行為すらした。よく喫茶店へ行った。ドトールとかじゃなくて、雰囲気のいい小さな店で一杯450円とかのコーヒーを飲みながらひとりでノート広げてぐだぐだ書いてたもんだ。今はひとりで休憩するために喫茶店を利用することはまずない。公園でぼーっとすることあっても。一人暮しだった。会社勤めしてた。家賃3万の風呂なしマンションに住んでた。夏には会社をやめ、秋には引っ越して同棲を始めた。93年。古い話だ。

今朝食べようと思ったトーストは見事に焦がした。バイトの休憩は缶ビール1本とスナック菓子を買って公園のベンチで池のカモを見ながら過ごした。万歩計をつけたおじいにナンパされる。「今何歩になってますか?」というのが会話のきっかけだ。わたしのビールをちらちら見ていた。仕事に戻らなくちゃならないから腕時計をちらっと見たらおじいは退散した。握手を求められたのでスナック菓子のくずが付いた指のままそのさわやかおじいと握手した。これは今日あったことだが別に目新しい話ではない。

さってと、仕事しなくちゃな。
雇われ仕事じゃなくて自分のこと。