2002/03/20(水) 「犬も振り向かない焼肉」copylight by 刃君

月子だよ~ん。酔払ってま~す。

花見第1弾。ひとりで公園で発泡酒&チキン。桜は四分咲きってと
こか。三日月と、池に写った街灯、こぶしの花がきれい。飲み足り
なく、帰り道に埼玉の地ウイスキーなんてのを買ってきて飲んでま。
うー。

ウイスキーは外では決して飲まないアイテム。ダメになるのわかっ
てるから。シングル・モルトなら飲んでもいい。自分の財布じゃ飲
めやしないが。

去年。

雪彦といっしょに桜を見たのは、住宅街の中にある池を囲んだ公園。
たいして大きくない。ジョギング兼犬の散歩用のようなどうってこ
とない公園だ。

上京してきてこの六年、春が来るたびにひとりでこの公園の桜を見
てきたという雪彦。去年は自分で花見を企画して数少ない友人を誘
った。スーパーで念入りに肉を選んでいざ焼肉と思ったら100円
ショップで買った炭が「いこらんかって」着火用に買った固形燃料
で仕方なく焼いたそうだ。参加してた刃君いわく、

「犬も振り向かない焼肉」

だったそうな。

その翌日わたしは雪彦の部屋を訪ねた。夜行で朝の9時ごろに着い
た。ハイタイプのベッドの下に布団を敷いて寝ていた雪彦が寝床か
ら這い出してきて、花見の顛末を聞かせてくれた。結局、炭がどう
にもならず部屋へ移動し、肉はホットプレイトで焼いたという。朝
まで焼酎を飲んでいたそうだ。酒臭い部屋。

「月子さん夜行で、きっとたいして寝てないだろうから」

いっしょの布団にもぐりこむ。小さなちゃぶ台に桜の小枝が飾って
ある。湯飲みにちょこんと刺してあった。

何泊かする間、毎日水を替えた。つぼみだった花はほころんだ。開
いていた花は散っていった。

この時は4日間ほど滞在して、刃君にも会った。刃君企画の花見に
も誘われたが帰る日だったので雪彦といっしょに過ごした。その上
で、仕事もちゃんとそれなりに、してた。えらかったな。

これが去年の桜の思い出。

今年はどんな花見になるのか。きっと10時間かけて電車に乗って
どうってことない住宅街の中の小さな池を囲んだ公園で桜を見なが
らビールを飲むのであろう。となりに雪彦さえいれば今のわたしは
それで満足なのである。

ケンタッキーのチキン、買っていくことになるんだろなー、きっと。

造幣局の通り抜け、知らないものにとっては犯罪とロマンの香りが
いたしますわ。語感だけ。げろは見ないで通り過ぎようっと。

バイト&1人花見から帰ってきたら、雪彦からメール来てた。

「……池行ったらけっこう桜咲きだしてた。26、27くらいには花見
できそうすよ。」

バイト連休取れたから会いに行こうかな、と思ってメールしたら、
花見の価値が下がるから我慢しなさいと言われた日である。

会いたいってことかな?

会いに来いってことかな?

返信を出したがチェックしてない。わんわんが電話を使っているの
だ。雨子さんのひじきと、豆腐で味噌汁を作って飲む。だしはサバ。

酒の後の味噌汁はうまいね。うまいんだが何だかおさまらん。飲み
足りないのは酒か味噌汁か。雨子さんは味噌も自分で仕込む。貝の
味噌汁うまかったなあ。庭の畑で取れた白菜のトウも入ってた。

酔払って久しぶりにムー助ともチャットした。わんわんが電話を使
いたいと言うのでいったん切った。会えるかな。会いたいのかな、
わたしに。会いたいのかな、わたしは。

わんわんin風呂。メールチェック。雪彦より1通。

「その時は……さん(刃君のこと)たちとは合流するのですか」

わたしに会いたいのか、とにかく誰かと花見をしたいのか、釈然と
しないまま夜は更ける。

またまた香水を、いろいろ試して雑貨屋臭くなってる、

酔っ払いの、

月子(プチサンボンは雪彦にとられちゃったからね)