2002/10/28(月) 仔猫の腸

庭に集う猫の数がめっきり減った。小さいほうの仔猫のうちの一匹が脱腸になっているのを昨日発見した。長さ三センチくらいの赤々とした腸を尻から垂らしている。隣の部屋に住む女性も気にしていたようで、今朝、壁越しに声を掛けられ、こちら側から隣の庭へ追い込んだ。隣人はゴム手袋をして捕まえて洗濯ネットに入れていた。それから自転車を出す音が聞こえた。猫医者に連れて行ったようだった。

午後陽だまりに猫が集う。腸を垂らした黒い仔猫の顔を三毛の兄弟が舐めている。いたわっているようだが元気な三毛は容赦なくじゃれついて前足で黒猫の頭を抱え込み後足で蹴りを喰らわしている。もう一匹の三毛はひと回り体が小さく時々目が開いてなかったがどうやら持ち直したようだ。この辺の野良は風邪をひいたのが多い。「へげへげ」という猫のくしゃみが時々窓の外から聞こえてくる。

反対側の隣は学習塾で週二日しか人が来ないが、今日仕切りの下から覗くとコンクリートの上は猫のフンだらけだった。うちの庭も猫の脱糞所になってはいるが土の上にしかしない。どこぞに垂れたなというのは新鮮な臭いですぐにわかるから探しだしてスコップで土をかけておく。垂れる前には念入りに穴を掘るくせになぜ埋めないのかは疑問。そのくせ隣の学習塾に駆け込んだちびの三毛はコンクリの上に垂れた後、周囲から後足でしきりに土をかける仕草をしていた。そんなことをしたってもちろんフンは丸見えのままである。

黒いのは冬をこせるだろうか。

隣人に猫医者に連れて行ってもらったらしいのだがやっぱり腸は垂れたままであった。放っておいて治るとも思われないし。もうすでに情は移っているのだが、はんぱに助けるくらいなら放って置かなくては。水と時々エサ。それだけにしておかないと。ペットじゃないから。野良猫だから。

夏にスケッチした植物たちは元気だ。鉢が小さいのでさして大きくはならないが。水は乾燥しない程度にやらないと多すぎてカビさせてしまったことがあった。気をつければ冬を越せるだろう。室内に置き、時々日光に当てて。庭の雑草たちはほとんど枯れていった。季節が移り変わるからそれはあたりまえのことなのだ。出会ったから恋をして時期が来たから別れる。それもきっとあたりまえのこと。生まれたからにはいつか死ぬ。それもあたりまえ。

とは言え、じたばたするけどさ。野良猫のようには生きられそうもない。