2002/07/18(木) 去年の夏は公園で花火をやったんだ。今年は部屋でスイカだった。k-mode02

スイカのことを忘れていました。

部屋につくとスイカが冷やしてあったんだ。流しに、小玉スイカが。実家から送られてきた荷物に入っていたのだという。冷蔵庫に入らないからとひとつしかない鍋に水を張って、そこにつけてあった。でもってモスバーガーのあとにスイカを食べ、翌日出かける前にわたしはその残りをつまんだのであった。

ほらもう忘れてる。いいのだけれど。些細なことなんだけれど。恋愛中毒なものでね。思い出すことでなんとか露命を繋いでる。薄れる記憶をなぞっている。書くことで、読み返すことで追体験できるように。ただ、ペン入れすることで、消してしまわなきゃならない線も出てくるというのは悲しいことね。この日記は完成しない。同じところを何度でもしつこくなぞったり、下書きの線を消さずに残したり、だって、作品じゃないから。日記だから。好きなように書くの。誰に頼まれたわけでもない。書きたいから書いてるの。でもって八月はこの日記お休みすることになるかもしれない。これ書いてると手につかない、あることのために。

いや書きたいんだけど。夢中になりすぎだよなと、我ながら。入れ込んでるからね裸の月には。禁欲だ禁欲。夏眠についてはもう少し考えます。

二人乗りで部屋に戻って男はダウン。わたしは食後のデザートに冷蔵庫のスイカを少し切っていただく。もう二分の一にカットしてあるので男の部屋の小さな小さな冷蔵庫にも入るのです。アジシオをふって。粗塩のほうがおいしいんだけどな。男の部屋の入口には盛塩がしてあるので時々踏んでしまう。玄関なんていえない靴脱ぎ場だけれど。盛塩のための粗塩があるのは知っているのだが面倒なのでアジシオで。男の横にもぐりこみ眠る。

夕方まで眠るつもりの男の横で、昼ちょい過ぎに目覚めてしまった。

くる時御堂筋線新大阪駅の入口のマックで、じゃなかった「マクド」でマックシェイク百円(マクドシェイクとは言わないよね? 笑)のノボリを見たのを思い出し、散歩がてら買いに行こうと思った。もらった合鍵を使用。もちろん外はめちゃくちゃ暑い。マクドも混んでいる。チョコレート味を飲みながら部屋に戻る。すぐにも溶けてやわらかく部屋につく前に飲み終わってしまう。吸っても吸ってもストローから出てこないくらいの固いのが好きなんだけどな。この気温ではしかたがない。マンゴー味をひとくち味見して冷蔵庫へ。パックの麦茶を一口。がさがさしてたら男を起こしてしまった。

後3時間眠る、と言うので、いいよ、と口ではいいながら、となりに横たわっていたらつるつると涙が出てきた。湿った気配を感じてこっちを向き直る男。「なんで泣いてるの」「明日帰ると思ったらさみしくなった」ほう、そうだったのかわたし。男に説明して涙の理由を知る。本当はね理由なんかなくても泣けるんだ。帰りたくないと口に出しては言わないがせっかくなので甘えてみる。Tシャツの胸のあたりをお借りして顔をうずめて見たりして。ぐしぐしと涙が出る。ティッシュで鼻をかむ。それからセックスをした。気持ちいいもんだ。

五時半頃おきて今回来たメインの用事を済ませる。布団を上げながら本当はこの時間まで眠ってからセックスしようと思っていたと男。すみませんね。放っておかれてるって気はなかったのだけれど。男が眠れずに襲われるのが不安の発作ならわたしのはさみしさの発作なのだろうか。だとしたらキスに勝る良薬はなし、なんてうっふっふ。

さてかねてよりのお楽しみ、新世界へ土手焼き食いに。ちんちん電車でGO! 前に入ったのと同じ店。土手焼き土手こんにゃく串カツイワシイカ下足チーズ。生ビールの中ジョッキが特価290円。BGMがでかくて大きな声で話すのが面倒。電車を待つ間、明日は午後いっしょに部屋を出てそのまま電車で帰ろうか、夜になってから深夜バスで帰ろうか迷ってる、と言うと「部屋で寝てたらいいじゃないですか」と言われたので、じゃあ夜帰ることにする、と滞在予定を数時間引き延ばした。午後は暑いだろうからというのが口実。少しでも一緒にいたいというのが本音。

あまり会話はせず、カウンターの中で働く人々を観察(結構好き)しながら2時間ほど飲む。会計し店をでるとわらび餅を売る軽トラがとまっていた。わたしははじめて見た。大通りへでると「ん」とも「ほい」ともつかぬ声とともに左手を差し出す。手をつないでもよろしいというサインらしい。酔払っている時限定なのだそうだ。ありがたくつながせていただく。今回わたしは上げ底ミュールをはいているので男の顔に五センチは近い。ビルとビルの隙間で寝ている人を横目で見ながら路面電車の駅へ。待っている人が結構多い。なかなか電車が来ずちょっと気分が悪くなりかかる。祭のポスターを見て気を紛らわす。去年ひとりでその祭に行ったという男の話を聞きながら。「これに合わせて来たらよかったのに」と男。祭か。男に会いにくることがわたしにとっては結構なイベントなだけどね。ひとり祭。楽しそうな男を見るのもいいかもしれない。男と祭。でも人の多いのは疲れそうだな。

車内の冷房で持ち直す。駅から家の近くまでまた手をつながせていただく。別にひくつになっているわけでなく、彼にとって外でいちゃいちゃするのは勇気がいることだというのでめずらしいなありがたいなあうれしいな、とそういう気分で。他愛のないことしゃべりながら一緒に帰る。冷蔵庫の上半分凍ってシャーベット状になってるマンゴー味のシェイクは男が食べわたしはまたスイカの残りを食べ、入浴剤を入れたぬるめの風呂に一緒に浸かった。手で水鉄砲を作りわたしの顔めがけて何度も発射する。入浴剤が目にしみるからやめてくれ。布団を敷いて交わる。口に出したんだっけ? 忘れちゃった。やっぱり遅くまでおしゃべりしてから眠った。つづく。


スケッチはお休み。
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月子