2002/06/14(金) シックスナインは苦手だけれど、フェラチオが嫌いというわけではない。

部屋の掃除をしていたら行方不明になっていた「ミソ汁のキイ・ホルダー」が出てきたので手提げにつけた。

探してたんだ、これ。すげぇ可愛くないの(笑。汁碗から手足が生えてて顔がついてて、にっこり笑ってるの。m&mチョコレートのキャラクターを人がよさそうにした感じかな。お碗にはふたもついてます。回転すし屋のくじで当たったんだけどさ。

5皿で一回ルーレットが回るんだよね。その設備があるのはテーブル席のみ。一皿100円のチェーン店だけど、こっちにはないから関西圏だけなのかなあ。わたしの住んでる辺りにある回転すし屋はレーンなんてひとつきりだし、いちばんよく利用する店は特に小さくて30席もあるかないか。混んでいると隣の客と肘が触れ合う狭さである。空いてる時間に行くとほどんど寿司は回ってなくて全部注文で握ってくれる。益荒男に連れて行ってもらったところは3レーンもあって目がくらむような広さだった。関東でも郊外にはこういう店があるんだろうが、車を利用することのないわたしには縁がない。

人件費削減のためだろう、皿を下げるのも機械の仕事でテーブルごとに皿下げ口が設けられている。そこに皿を落とし入れるとデジタルのカウンタが回る。切りのいい数まで食べてもらおうという魂胆であろう、5、10、15、といつつきざみでルーレットが回り光が点滅し当たりに止まるとカプセルが出てくる。中身はキーホルダー。これが可愛くなくて、とほほと笑ってしまう。金券も入ってるらしい。

何と言うか、ゲームセンターかボーリング場で寿司を食っているようで面食らった。わさびが回っているが、これがちっとも辛くないわさびでつければつけるほど甘くなる、という「涙」にあるまぢき代物。寿司用語って何か格好いいよね。しょうゆは「紫」とか、たまごは「玉(ぎょく)」とか。板前さんが使うのはいいけど通ぶった客が使うのは気取りやがって、と思う狭量なわたくし。

ネタも通常の魚介類に加え、ハンバーグ、海老フライ、カルビの軍艦、と何でもあり。「コーン」てのがあって見た目の間抜けさに笑ってしまったが(缶詰のコーンが軍艦に乗ってる)体格のいい親父が注文してまで食べていたのには驚いた。ここでは「粋」を探してはいけないのであった。ツナサラダくらいなら許してやろうと思うけどな。ああ、狭量なわたくし。

注文するのにも席ごとにインターフォンのごときものがついているので人を呼ぶ必要はないのである。ボタンを押して怒鳴れば(まわりがうるさいのでつい大声になる)いいのだ。最後しめてもらう時もボタンを押せば人が来てくれるのである。ビールも茶碗蒸もデザートのパフェーもそれぞれ保温、保冷されて回っている。ああもう、目もくらむように回っている回っている。まるで遊園地だ。

で先月も行ったのですが、15皿目(3回目)に当たりが出まして、これが「タコのキイ・ホルダー」なのですが一見なんだかわからないのは、タコそのものじゃなくて、タコの寿司のキャラクターだからなのです。これには驚いた。

ミソ汁くんと同様やはり手足が生えております。靴(緑)もはいているし、手袋(白)もはめている。このへんはミッキー・マウスの影響なのでしょうか。ミソ汁くんが両手を「ウェルカム!」って感じで広げているのに対して、タコ寿司君は「食った食った」という風に自分の腹に両手を置いています。眉毛も濃いです。まぶたもちょっぴり下がってます。ほっぺたぷっくりの )( ←こんな感じの曲線も口の脇に入っています。くちびるの線もあります。これら顔のパーツがすべてタコの切り身の上に描かれているのです!わかっていただけますでしょうか?

正面は白いです。脇はユデダコの赤。ちゃんと吸盤のいぼいぼも再現されています。そして背面にまわるとそこには「すしめし」があるのです。タコの切り身にくらべると小さめです。シャリ少な目ってなもんです。手足は「すしめし」から生えています。「すしめしくん」がタコの切り身を抱きかかえているようにも見えます。でも顔のパーツは切り身にあります。切り身を離すと彼はのっぺら坊主になってしまうのでしょうか。想像すると怖いです。ちなみに「すしめしくん」はお米の一粒一粒までもが再現されており、なんか虫の卵みたいで超不気味です。

そしてわたしはそれをその場で手提げにぶら下げました。男に受けようと思ったからです。あえて悪趣味なことをしてみたのです。受ける、というか呆れられました。帰ったら、前に当たったミソ汁のキイ・ホルダーも一緒につけよう、と言いました。やっと出てきたので言った通りにしました。まあ、自己満足です。ちっとも可愛くありません。

こんな思い出にすがってしまうのは、部屋に男が来た時に、残していった吸殻を、捨てずにいつまでも取って置くような、実りのない感傷に過ぎぬのですが、まあ、日記のネタくらいにはなったってことで、ひとまずこれまで。

この夏わたしに会う人は、この「すしねたくん(タコの切身抱きバージョン)」を拝むことができるであろうという、くそありがたくもないお話でした。月子(フェラチオの話はまた明日にでも……)

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