2002/05/27(月) 益荒男くん今度会ったらまたいっぱいSEXしよう。<e-mode>

※注意:e-modeとはエロティック・モードのことです。この日記は露骨な性的表現を含みますのでそのような内容の文章を読みたくない方はご遠慮ください。

十時間かけて益荒男に会いに行く、そのこと自体が前戯である。

例によって益荒男からは、体調不良をうったえるメールが度々来ていた。直前に、頭が痛いというメールをもらったので、「着いたらすぐに押し倒したいんだから、体調を整えておくように」、と返信を出してあった。

時折海が見えたり、山が見えたりする以外は単調な列車の窓からの風景を横目に、前日別の男にもらった文庫本を読み進む。

人間であることが、変態。

前から思っていたことを再認識する。そして本をくれた男にまだ執着していることも。列車に揺られると涙が出るのはなぜか。途中から疲れてどうでもよくなってしまった。実際十時間も電車に乗っていると気が遠くなる。遠くなった意識がまた戻ってくると頭の中は恋愛モードになっている。いろんなことを忘れてしまう。自分の生活圏を離れて遠くに来るのはいいのもだ。

「僕押し倒されるんですか?」

部屋につくと益荒男がそう聞いた。わたしは笑った。薄っすらと乗り物酔いしていたので休ませてもらう。「ビールありますよ。」「その、麦茶を下さい。」しばらく茶など飲みながら互いの近況を伝えあう。メールは交換していたけれどなにしろ二ヶ月ぶりだし。顔に手を触れようとすると、振り払われたので泣いた。「照れですよ。」思い出した。そういう男だった。「なにも泣かなくても。上に行きましょう?」彼の部屋にはロフトがある。

薄い布団の上でお互いの手足を絡めあって横になる。くちづけするより先に顔と顔の皮膚をこすり合わせる。鼻、ちょっとざらついている。頬、弾力があってすべすべ、でも彼は髭を生やしている。まぶた、薄くて、まつ毛、ふるえている。耳、複雑なかたち。耳たぶ、すごくやわらか。

「髪、切りましたか?」

心外。二ヶ月ぶりに会うから、「伸びましたね。」って言われると思ってたのに。伸ばしてって言われたから切らずに伸ばしてるのに。

益荒男の髪の毛に指を突っ込む。脱色や染色を繰り返して棕櫚のタワシのようだ。

「少し熱いですね。」

空調のスイッチを入れ、窓を開ける益荒男。網戸を引く。窓には洗濯物。「今年初めてのクーラーだから最初だけ、ほこりくさいと思うから。」しばらくして窓を閉める。掛布団の上に寝転んで抱き合う。やっとくちづけをする。このために十時間かけてやってきたのだ。

益荒男の舌はよく尖る。

最初はくちびるだけを使って葉書に消印を押すようなぺったん、ぺったんというキスをくりかえす。益荒男はくちびるを、のび太が不平を言う時のような、アラビア数字の「3」のような形にする。そのうち舌が出てくる。くちびるにはくちびる、舌には舌で応戦する。ちゅうちゅうと吸われると、口蓋の上側のざらざらした所に舌がぺたりと貼りつく。

わたしの舌も良く尖る。

昆虫映画で見たことのあるカタツムリの交尾のように震えながら絡み合う。舌の上側と下側では舌触りも、味も違う事に気がつく。下の方がやわらかくて甘い。益荒男のくちびるの全周囲を舌先でなぞる。指相撲を取るように舌の先と先を繰り合わせる。クリトリスが痛いほど尖っている。

「下着が濡れちゃいますね。」

わたしのパンティを脱がす益荒男。自分も服を脱ぎながら「全部脱いだ方がいいですか?」と聞く。うん、裸になって。

「ああ、ぐちゃぐちゃじゃないですか。」

益荒男の長い指がわたしの性器の内側を触る。「ここ?」指の腹を使って念入りに探りつづける。彼の指の動きによって音が変化する。ぴちゃぴちゃ、くちゅくちゅ、ぐっちゅぐっちゅ。わたしは喘ぎ声で伴奏をつける。エアーコンディショナーと粘液と吐息。夜。アッ(早く)、ハア(入れて)、アァ(欲しい)。そしてまたカタツムリのくちづけ。

もうすぐ生理が来るから避妊しなくても大丈夫とわたしは言ったけれど、益荒男は自分で買って用意していたコンドームをかぶせてから挿入してきた。「セールだったの。ヨーロッパの輸出用だって。見てこんなに大きい(本当だ…)。しかも厚い。やぶける心配がないのはいいな。」(わたし達のセックスの体位はだいたい二種類くらい。松葉くずしに似たヨーガの形がいちばん多くて、あとは騎乗位。たまに正常位。身長差があるので後背位はうまくいかない。)

「今日はラブ・ディですね、隣も。」

隣の部屋からも喘ぎ声が漏れてくる。あぁん、カズ、あかん、いくぅ(ギシギシ)。ベッドでしているらしい。益荒男と顔を見合わせ声を出さないように微笑みあう。こちらの声も筒抜けなのね。布団を頭からかぶり、わたしの乳房を手に取って咥える益荒男。すぼめたくちびるで吸ったり、尖らせた舌で乳首をなぞったりする。どうしても声が出てしまう。腰が動いてしまう。

「上になって。」

くちづけを、しようとする度に伸びかけの髪が邪魔をする。益荒男の手がわたしの髪をかきわける。くちびるにほほにひたいにまぶたにあごにキスをする。激しく動かしすぎて性器がはずれてしまう。益荒男のジョイ・スティックに手を添えて、わたしのスリットに収めなおす。「もっと、ゆっくり動いて。」はい、ゆっくりですね。ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり……(つづく)。

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