2002/03/30(土) ある意味『白馬の王子様』ってのは純粋な妄想だよな。

雨の道を車体に桜の花びらを貼りつかせた紺色の車が通り過ぎる。 

ぬうっと、ゆっくりのスピードで。

なんかどっかで見たことあるな。車じゃなくて、あんな生物。

ああ、ジンベイザメだ。あの白い斑点。

酒が抜けきるとなんだか妙にお腹がへって、朝食の残りのドーナツ
に手を出す。それとポットいっぱいに入れたティーバッグの紅茶。

あさっての、むーしゃんが出るイベント、強がって「行かないよ、
興味ないもん」と言ったが本当は気になる。行きたい。でも行きた
くない。泣いたらやだし。冷たく放っておかれるのもやさしくされ
るのも、どっちもいやだ。気を使わせる。やっぱり行かない。

むーさんには12月にも大泣きしたところを介抱してもらったなあ。
あの時は何で泣いたんだっけ?

あそうだ。わんわんと子供のことで言い争いをしたんだ、その後だ
った。あん時は蛇口が壊れたみたいによく涙出たな。酒も入ってた
し、感傷的な音楽が直に頭に作用した。そうか、むーさんはあんな
風にわたしが泣くと思ったのかな、別ればなし切り出した時。

やっぱりコーヒーが飲みたいな。

でも今から豆をごりごり挽くのはうるさいから、わんわんのインス
タントにしよう。もう11時か。わんわんの見ているのは「ダイハ
ード3」。

雪彦、友達の古いパソコンをしばらく借りていじると言う。ネット
には繋がないそうだ。借り物だから。自分のPC欲しいだろうな。

誰かを信じる、ということについて考えながら夜道を歩いた。

または、何かを、信じる。

読まれても読まれなくてもわたしは文章を書く。

見られても見られなくてもわたしの肉体は存在する。

期間限定(生きてる間だけ)だけど。

雨だ。星は見えない。男物の大きな傘をさして濡れた地面を見なが
ら歩く。桜の花びらがアスファルトに貼りついている。

新しいこと、はじめなきゃと思う。

誓う、に近い。決心にはやや遠い。

ぼんやりと誓う。

何だか矛盾してるな。まあいいや、人なんていつでも矛盾してるも
んだ。混沌こそ原初の力。

捨てられない女捨てる女捨てられる女。おんな。

雪彦と電話で、どうもわたしの考え方は「男寄り」らしいという話
になった。雪彦の周りにいる女友達とは明らかに違うと言うのだ。

「じゃあきっと前世は男だったんだよ、わたし」

でもって、次は女に生まれたいなあ、と思って女に生れて来たんだ
よ、と思いついたことをべらべらとしゃべる。雪彦も前世は女だっ
たんじゃない?

「きっとそう。でもって腐って、男になったの」

女の腐ったようなって? なんかやーね。パリ夫くんなんかも前世
女タイプだなあ、と勝手な想像。わんわんも次は女に生れたいと言
ってる。ムー助さんはどうですか? 次も男? 男一本やり?

今日帰って来るのか知らん。

て、やっぱ気になってしょうがない。

もう寝ようかな。

あそーだ、おぎーのさん、コメントと日記での回答ありがとう。

そうね、情報量が少ないほうがかえって恋には落ちやすいかも知れ
ない。最初に出会うとき相手の何もかもを知ってる必要はないのだ
ものね。その人のことを「もっと知りたい」って思うことが恋の始
まりだったりする。そのために努力したり知恵をしぼったり。ウエ
ブ上の日記だったら苦労しなくてもどんどん情報は入ってくる。そ
の人が実生活で秘密にしていることでも。そこから出会うっていう
のは今まで経験したことがない。

顔って大切とわたしも思います。それも顔立ち、というより表情や
雰囲気。それからしゃべり方や笑い方、声の高低。そういう出会っ
てわかることは生物にとって貴重な情報だ。写真は写真でまた誤解
を誘う情報源だな。特にデジタルはいくらでも修正可能だし。

オフ会ちゅうもんを今まで一度も経験したことないのよわたし。

とにかく妄想をふくらますにはもってこいのメディアだな、インタ
ーネットって。

でもわたしはネット上での完璧な出会いより、「しまった!」を繰
り返しながらでも実際に出会って行きたいと思うよ。だって電気が
供給されなくなったらもう会えなくなっちゃう友達なんて、あんま
りだと思うもん。

どんな手段でも有効にできるかどうかはそれを利用する人しだいっ
てことなのね。当り前のことでした。

理解も誤解も憧れも妬みも期待も失望も欲望も失望も下心も純情も、
何もかもぜーんぶ、ここにある。そして同時にここには何も、無い。

デジタルに変換されたデータだけ。

とにかく出会わなくっちゃ。

インターネット・ギャンブラー。(なのか?)

ほんではとりあへず、

おやすみなさい。

月子