2002/03/28(木) ムー助さま、去る。

ムーしゃんにふられた。たった今。びっくりした。

ふられたってのともちょっと違うか。とにかく新しい恋人ができたのだそうだ。新しいと言うのとも違う。13の時から数年間、つきあってた彼女と再会したのだそうだ。ほう。

「というわけで、もう一緒にホテル行ったりできません」

ホテルはともかく、おまいさん目が真っ赤だよ。仕事が忙しくてほとんど寝てないのか、恋の病か、男の意地か純情か。とにかく会いに来るのに物凄く覚悟して来たらしい。「大泣きされるかと思った」そうだ。わたしそんなに、けろっとしてた?

「1人になったら泣くかも」

と、言って見たが今のところ涙はわいて来ない。びっくりした、という感情のほうが強い。でもって、ムー助さんのあの顔見たら、何も言えないよ。だって、むしろムー助さんの方が泣きそうな顔してんだもん。

「こんな未練たっぷりで大丈夫なんかわしは」

とご自分で言ってらした。わしもそう思います。わたし? わたしもちょっと泣いた。最後に何かして欲しい事はあるかと聞かれたので、「首絞めて」と言ったらわたしが首にしていたストールを軽くそんでも息がちょっと詰まるくらいに絞めてくれて、涙が出た。

「前にもこんなことしたことあったっけ? あったか」

などとつぶやいていたムー助さんだが、わたしが首を絞められるのを気持ちいいと気づいたのは最近のことだ。多分。

ムー助さんが買ってきてくれた缶のお茶を飲みながら向かい合って別れ話をしていたら、わんわんから電話。うおー、何でまたこういういいんだか悪いんだかわかんないけどたまらんタイミングで掛けて来るかね。

「あー、月子さん帰ってたー。何時に帰ってきたの」

8時ごろだよ、オレは7時に家出た、うんまだ布団が温かかったよもう仕事終わったの、まだだよー。でもって、歌なんか歌ってる、天晴れな男わんわん。

ムー助さんは1時過ぎに来て、3時半ころ帰っていった。ここ数日はとにかくわたしに連絡を取らなくては、次にみんなで会う機会までにはちゃんと伝えておかなければ、と気が気ではなかったらしい。

そういうお方なんだなあ。最初に誘われた時も、そうだったもんなあ。思いつめた顔して。それがわたしに向けられたものか、他の女性に向けられたものであるかの違い。どうあがいても仕方ない。起こるべくして起こったのだろう。時期が来て再会したのだろう。

それにしてもムー助さんとわたしがつきあってるってのは、その辺では周知の事実であったらしい。ふへ。どおりで、というのは今でこそ思うこと。楽だと思った。なんかはずかしい。隠してるつもりだったわたしはおめでたい。余は天晴れじゃ。とほほ。

ああ、だったらこの日記、ムー助さんに読んでもらった方が、かえって気が楽になるかな。どうかしら。ちっとも一途じゃない不埒なわたしの本性、知ってるとは思うけど。

今のところ、妙に冷静。

雪彦の携帯に電話して報告「愛人さんにふられたのよー」。

その分過剰な愛情をこっちにぶつけてこないでね、耐え切れないから、だと。どいつもこいつも正直なエゴイストでいっそ晴れ晴れした気持ちになった。

「こうなったら大阪に移住しようかな」

と言うと月子さんには無理無理、泣いて帰ることになる、というアドバイスをもらう。そうなんでしょうか。大阪在住の皆様。

とにかくわんわんは帰ってくる。

なんだかんだムー助さんとは5年半のつきあい。なんか、後からダメージ来そう。自分で「ムー助さんとの恋はもう余生」なんて書いてたけど、予防線だったのかね。こんなオチかい。

まあ悪くはないわ、と強がっておこう。

また書くと思う。

月子
(あ、プロフィールと日記のコメント書きかえなきゃ……)