2002/02/04(月) 戦士は二日酔い。そして、あっぱれな男わんわん。

わたしのひとまわり年下の恋人、戦士から電話。

調子はどうですか? とメールを送ったら「いま二日酔いです」と
かかって来た。それから二時間ほど長電話。さっき切った。

3年前に知り合った女の子が夢に出てきて、夢の中でセックスした
そうだ。それもかなりリアルな感じで。これは正夢かも、と思い夢
に出てきた女の子に起きてからメールを送った。でも返事がない。

という話を何日か前に電話でした。

「もう月子さんじゃ満足できなくなってきた。若いコとつきあいた
い」

なあんて聞き捨てのならない事を言っていた戦士だが、そのメール
を送った相手が昨日部屋へ遊びに来たというのだ。

彼女は戦士と同い年の24歳。顔は、けっこう女友達の多い(その
くせモテナイ)戦士の知り合いの中でも1番可愛くて、もろ好みな
のだそうだが、あまりに元気で押しが強くて怖いもの知らずでわが
ままで酒も強くて、戦士を怖気づかせたらしい。

2人で恐ろしく強い酒(90度以上。ほとんどアルコール)をボト
ル半分残っていたのを空にして、彼女にはつき合ってる人はいない
んだけど、十時ごろいわゆる「アッシー君」に電話して迎えに来て
もらっていたらしい。さらにしばらくしてから「アッシー君」から
「無事つきました」と電話が入ったそうだ。

「月子さんのよさがわかった」

と言われた。そりゃどうも、ありがとさん。

何でわたしが彼の事を戦士って呼ぶかと言うと、この人はいつも自
分の中の不安や恐怖と戦っているから。

戦士といってもあらそいは好みません。平和主義者です。でも、世
の中になじめない、社会性の薄い、気が弱くおまけに体も弱い、自
称「ダメ人間」の彼にとって、ただ生きるだけでも戦いの連続。

たとえどんなみっともない死に方をしても、事故死でも病死でも自
殺だったとしても、自分としては精一杯生きたのだ、戦って死んだ
のだと思ってほしい、とノートに書いてあった。

彼のノート、死んだらわたしに残してほしいと頼んであるんだけど、
部屋に遊びに行ったとき見せてもらったら、読んでるわたしまで胸
が苦しくなってきた。生きてるだけで、というより死なないだけで
精一杯なのだ。

理解しようと努力する事はできるけど、心の中の感情をわかちあう
ことはできないのだなと思った。

うわべだけでわかったふりをするのは、真剣に戦っている相手に対
してかえって失礼だ。

9月に彼の部屋を訪問したときニューヨークでのテロ事件があった。

夜中、不安の発作を起こしてトイレで吐いていた彼。

翌朝、飛行機で帰ることになっていたわたしを本気で止めた。自分
が新幹線代を出すからお願いだから飛行機に乗らないでくれと。

「月子さんが飛行機に乗っていると想像するだけで気が狂いそうに
なる」

戦士には「わかったそうするから」と言っておいて結局は飛行機で
帰ったわたしだが、飛行機に乗り合わせた人たちが広げている新聞
には例のショッキングな写真が掲載されており、こんな情景を戦士
が見たらどう思うだろう、と想像すると胸が苦しくなった。みんな
こんなに平気なのに、なぜ彼はあそこまで敏感に反応してしまうの
だろう。

ならんで布団に横たわりながら、戦士の石のようにカチカチになっ
ている胃袋の上に手をおいてさすっていた。

「ごめんなさい。最後の晩なのにこんな発作起こして」

わたしは泣いてたけど、それは側にいても何もしてあげられないく
やしさともどかしさだ。自分の無力を知る、長くて悲しい夜だった。

それまでにも戦士からの手紙には、わたしに涙を流させる何かがあ
った。

それはセンチメンタルな甘い涙だから流していて気持ちのいいもの
である。PCを買ってからは戦士から送られてくるメールに度々涙
を流している。

離れているから何もしてあげられない。

でも、近くにいてもしてあげられる事ってほとんどない。

ただ、良くなりますように、楽になりますようにと祈るだけ。

無力だ。

でも祈りの力を信じる事ができなくなったら、生きていくこと自体
が難しい。どうか、どうか、彼が少しでも楽になりますように。生
きていてよかったと思えますように。このまま死んでしまいません
ように。

それまでも、不眠や、不安の発作で、かなりつらい思いをしてきた
はずの戦士だが9月の発作からはなかなか立直れず心療内科を訪れ
たらしい。それまでは

「医者や薬になんか頼るものか、自分の英知でしずめてやる」

ってがんばってたんだけどね。でもいいと思うよ。いろんな経験す
るのも。今も薬は時々のんでるみたい。

だから戦士とセックスする時は「楽しく」するのが決まり。涙は禁
物なの。彼のためだったら「慰安婦」になるよ、わたし。

性欲があるうちは人間大丈夫だ。「やりてえ」と思うのは生きてる
証拠。またわたしの事を思い出しながらオナニーしてちょうだい。
まあ他の女の子でもいいけどさ。

今日はこんな感じ。真面目な月子しゃんでした。てへへ。かえって
照れくさいんでした。

それにつけても、あっぱれな男わんわん。

日曜日、日記書けなかったんだけど、PC開いてたら隣の部屋から

「余は天晴れじゃー!」

という声が…。

それを言うなら「余は満足じゃ」でしょう。あなたの頭の中があっ
ぱれなのじゃ。

わたしものん気に助平なネタを、でれでれぽわんと書いておりたい
もんだわん。

じゃあまた。

月子

○○○○
ちっともゲストブックに行けないんでここに書いちゃおう。

1月31日にわたしのゲストブックに書きこんでくださった、いず
みさんの日記がおすすめです。日記のタイトルは「日記」。でもっ
ていつも「無題」なんで新着トピックなどでは見落としがちですが
「女を磨く」というちょっと古風な感覚がかえってわたしには新鮮
でした。「続き1~4」は読みごたえたっぷり。カテゴリーは「ひ
みつの恋愛」です。

jelybeenさんの徒然日記もおすすめ。
jelybeenは生まれた日が「丙」で時刻が「午」らしいです。「男を
喰らう」ひのえうま。女も喰らったんですかjelybeenさん!?
つづき楽しみにしてます。

rolly0709さんの「じみへん(=地味な編集者)日記」
編集者としての多忙な日常が綴られています。2月2日に登場する
あがた森魚さんはわたしも好きな音楽家なので興味深く読みました。
わたしのMy日記リスト唯一の男性筆者。

ほかにも「女の時間」マリコさん、tokidokiyaことゆめじさん、フ
ラメンコさん、ひみつのアッコさんなどの日記を楽しみにしており
ます。

ゲストブックはプロファイルのアイコンから日記に飛べるところが
便利ですよね。早く復旧してほしいです。月子