2002/01/13(日) 甘い涙、苦い涙。

男2と会って思い切りセックスしたいのにつかまらない。

仕事よりプライベートのほうが忙しいんだ、この人。この3連休は
毎日用事があるらしい。まあ、しょうがないや。夜なら空いてるの
かなあ。後で連絡してみよう。昨日古い友人を交えて終電まで飲ん
でたから男1の手前今夜はちょっと出づらいけど。

古い友人。四年前に結婚たんだけど、つれあいが仕事用に借りた部
屋に行きっぱなしの事が多くて「プチ別居」状態だという。

「仕事もないのに…」

とぼやいていた。3年目、7年目というのは映画や歌にあるように、
同居生活のやはり越えねばならぬ山場となるようです。ちなみにこ
の友人は男性。仕事部屋を借りたのは奥さんのほうです。

奥さん!

いやー、「奥さん」!!どう思いますこの言葉。

話の流れで使ってみましたけど、習慣的に。変じゃないすか~?
奥さんて言葉。そういう言葉があるのはしょうがないと思いますが、
わたし奥さんなんて呼ばれたくない。セールスの電話とか掛かって
来ますよねー、昼間家にいると。

「奥様でいらっしゃいますか~?」

「違います」

敵も然る者、

「失礼しました、お嬢様でいらっしゃいますか~?」

もっと違います(笑)!そういう仕事なさってる方はご苦労様です。
大変ですよね。テレホンアポインター。でもこういう電話嫌い。
自分の時間じゃまされるの大っ嫌い。

奥様、妻、女房、家内、どれもピンと来ない。どれもわたしじゃな
い。自分では使わない。ピンと来ない言葉使ってると、ピンと来な
い人生になっちゃう、これ本当。

同じく「だんな」って言葉もかなりのもんだ。

付随してくる無言のメッセージがね。押しつけがましいのよね。
男1は自分で自分の事「だんな」だなんて思ってません。
だから一緒にいられるんだ。

男2も男3も自分の立場を押しつけてこない。愛人、恋人、浮気の
相手、客観的に見たらどれも当たってる、でもどの言葉も違うんだ。
ピンとこないよ。

わたしは言葉大好き。日記や手紙やメール、どれも大事に思ってる。
話し言葉も好き、書き言葉も好き。でも言葉にしばられたくはない。
言葉は武器になるけど下手するとそれに捕らわれてしまうからね。
いつでも味方になってくれるとは限らないんだ。裏切られることだ
ってある。だから自分の使ってる言葉には気をつけないと。

あ、この「言葉」を「男」に置きかえてみると面白い。

「わたしは男大好き。だんなや愛人や恋人、どれも大事に思ってる。
若い男も好き、古い男も好き。でも男にしばられたくはない。」

なーんてね。ちょっとした言葉の遊びですが。けこう真実ついてた
りして。


さてさて。

男3とのメール合戦は今のところヒートダウンしている。

面白いんだ。

わたしが本気で落ちこんでると、真剣にやさしい言葉を返してくれ
る。頭をよしよしと撫ぜてくれるようなね。

会えなくてつらい時

「じっと我慢の子」

なんて返信もらったらまじで泣いちゃうよー。

で、それに気を良くしたわたしが、甘えて泣きの入った感傷的なメ
ールを送ると、いきなり突き放した返事が来る。

「泣くおばはんはみにくいのでほどほどに」

むか。

おのれ、殺したる。いや冗談。しかしむかつく。いや、それでこそ
男3。おかげでふたりして溺れずにすむわ。うるせー、と思ってわ
たしは体勢を立てなおす。恋はバトルなんだ。

あっちは恋とも思ってないみたいですけどね。

レクリエーションだって言ってる。でもそれでいいのよ。レクリエ
ーションだろうとオリエンテーリングだろうと。それが男3の防衛
策なのかもしれないし。あんたの人生はまだこれからだ、男3。ど
うせなら、もてる男になってくれよ。

うつ病なんかに負けるな。世の中はおかしなところだ。はっきし言
って狂ってる。押しつけがましいし、騒がしいし、厚かましいやつ
が得をするなんて、そんな場所はどうかしている。病気になっても
当り前だ。電車に乗れなくても、バイトに行けなくても、マザコン
でも、口が悪くても、ゲロばっかり吐いてても、わたしはあんたが
好きだよ。

24時間いっしょにいよう。今度会いに行ったら。

コンドームがなくなるまでセックスしよう。体力の続く限り。

痛いところがあったらマッサージしてあげよう。どこでも言ってご
らん。どこがツボなのか教えてくれ、そこを押してあげるから。

いつもひとりでいるから、さみしくて泣きたくても泣けなくて、気
がついたら一週間のうち人と口をきいたのが一回だけで、それもコ
ンビニで「カレーまんひとつ」ってそれだけだったという君! い
つもひとりで自転車を走らせていて、ものすごく夜景のキレイな場
所を見つけました、とメールで送ってきてくれた君!

早くあいたい。

「給食は残さず食べなさい」

とか、

「旦那様は大事にしなさい」

とか、

「赤信号では止まりなさい」

とか、

まどわされちゃだめだよー。形骸化した言葉に。本来のメッセージ
を忘れるとパターンに流されてつまんない、ピンとこない人生になっ
ちゃいます! 大事なのは体や心や愛であってそのために食べたり
敬ったりルールを守ったりするのであって、ルールを守る事が人生
の目的ではないはずです。少なくともわたしはそう。

こんなわたしが子供を持ちたいというと、男3は決まって

「いじめられますよ」

と言う。自分がそうだったからだ。

「100パー、いじめられますよ」

と言う。それを言われた時わたしは泣いた。甘い気持ちのいい涙じ
ゃなくて、にがくて苦しい涙だった。

なんで父親になってくれるわけでもない男に、まだこれから産まれ
てくるはずのわたしの子供に呪いを掛けられなくてはならないのか。

「あなたの子供はきっといじめられるでしょう」

これは呪の言葉だ。

男3は言葉の持つ力を十分知っている。言葉が人を傷つけるもので
ある事を自覚している。誰だって知ってる。わたしは男3の数少な
い味方のつもりでいたのでよけいに傷ついた。

わたしがそう言うと、「ごめんなさい」と謝ってくれたけど、唯一
あの時がわたしたちふたりのピンチだった。裂け目を覗き込んでし
まった。そんなもん見つめていたら恐ろしくて生きて行けない。

人と人は理解し合えるのか。

理解したつもりの99パーセントはきっと誤解だ。
悪意の誤解もあれば善意の誤解もある。
人は自分の見たいように世界を見ている。

でもわたしは男3が好きだ。ものすごく惹かれる。出会ったのには
きっと意味があると思う。わかるまでつき合う。絶対会いに行く。

1パーセントの混じり気のない真実を求めて…。

まるで砂金探しですね。やった事ないけど。

また今回の日記も色っぽくなかったわ。

男3とデートの時、ファーストフード・レストランで、わたしはビ
ールを飲みたくて注文したんだけど、

「ダイエット・ビールもありますが」

とお店の人に言われて

「ダイエットの必要ないでしょう、ふたりとも」

と男3に言われて内心嬉しかったのさ。

男3は神経性の下痢や嘔吐で太りたくても太れない体質だ。
テレビでK-1観ながら、

「あの筋肉が欲しい」

などとつぶやいている。腹筋むっつに割れたい、とか。胸板厚くな
って包容力増したい、とかね。

わたしは油断すると太るんだ。便秘がちだし。

ところがこの日記書き始めてから心のうっぷんを吐き出しているせ
いか、便通もいいのよ。日記ダイエット、なんて。いやいやお通じ
は馬鹿にできないよ。肌にてきめん出るからね。お腹もスッキリし
たから体にぴたっとしたワンピースも着れるし。いいよ、うん。

男3の足首を、人差し指と親指を輪にしてつかんだら届いちゃって、

「うわー、指まわるよー」

と言ったら、わたしの足首つかんで、

「月子さんだって届くじゃない」

と言う男3。

それはあなたの指が長いからでは…と思いつつも口には出さなかっ
た。嬉しかったから。

けっこう長い間、もうちょっと体重減らしたいと思っていたわたし
にとって、「あれ、やせたね」と言われるのはやはり喜ばしい事な
のだ。今が理想の体重。日記ダイエットでキープするぞ。中年太り
なんてゴメンだわ。

「小さいお尻」

だの

「釣鐘型のおっぱいが一番好き」

だの、からだをほめられると無条件で嬉しい。これってやっぱり女
だから? 男だってそうだよね。性別関係ないよね。生き物だから
だよね。わたしもガリガリで痛々しいけど男3のからだ、好きだよ。
トラブルばかりだけど、けなげに戦っている愛しいからだだよ。

そーんなことを思って抱かれていると、気持ちよくてたまらなくな
って、

「月子さん、濡れすぎ」

って言われちゃうんだよな。気持ちいいんだけど、抵抗なくってイ
ケないよ、だってさ。ああ、これまで何度、男のシーツに染みを作
っあてきた事か。はずかスィ~、でも、気持ちいぃ~、なんて。

こうして日記書くのも楽しい。

ホロ酔いで~す。モルトウヰスキーの紅茶割り。結構いけるんだよ。
つまみは駄菓子ってところが色気ないんだけど。「キャベツ太郎
って、なんでキャベツなんでしょうねえ。単なるソース味のスナッ
ク菓子なんすけど。パッケージのおまわりさんの格好をしたカエル
も意味わかんないわ。ま、いいや。収入があったらフランス製のナ
チュラル・チーズでも買おう。ダブルクリームの白カビか、強烈な
香りのウォッシュ。ブルーも大好き。山羊のチーズもいいなぁ。う
っとり。わたしの唯一の贅沢。男3に会う事と、うまいチーズを食
べる事。


書くたびに長くなる。
いちいち本気出すからさ、間があいても許してね。

男2つかまんないー。しゃあない今夜はあきらめるか。

また書きます。

月子