2002/01/04(金) キスの甘いうちは蜜月

蜜月。

スウィート・ハニィ・ムーンてやつですよ。
ネムーン旅行は新婚旅行。だから蜜月イコール新婚?

そうなのかなあってわたしは思う。
結婚はめでたい。離婚はダメ。
そういうふうに決めつけたくない。
ダメな結婚もあるし、めでたい離婚もあるよ。
入籍って、ひとつのけじめかもしれないけど、
世間をスムーズに渡っていくための方便だとも思うんだよね。

で、わたしなりの定義は、

「キスの甘いうちは蜜月」


男2と最初に出会ったとき相手は25歳。

年下の彼女がいてそれなのに飲みにさそわれて、行ったらふたりき
りだった。ちょっと驚いたけど相手に好意を持っていたからうれし
くもあった。何時間かあれこれおしゃべりしながら飲んで、店をで
る前に、

「楽しかった。思っていたとおりだった」

と言われた。うれしかったから覚えている。

小学校四年生くらいの時に、クラスの男子としゃべっていて
「……(苗字)って面白いのな」
と言われて、顔が真っ赤になるほどうれしかった。
ちびまる子ちゃんならバックに花がパァ~っと散るところだ。

「思っていたとおり」とは何を指すのか、後に知ったのだが、この
人飲みに誘うまで二日かかってたのだ。一日目は電話することがで
きずわたしの住んでいる周辺の古本屋なんかをめぐり歩いていたら
しい。

わたしの方に好意がなきゃこれってストーカー1歩手前って感じ。

この人はこの後もわたしの仕事が終わって帰るころ駅の乗り換え口
で待ち伏せしてたりしてわたしを驚かせた。かけよってキスしよう
としたら文庫本でガードされたけど。読書家なんだ。

で、はじめてふたりで飲んだ帰り道、別れ際にキスしたんだけど、
もうほんとにくちびる同士が軽く触れるだけの、「気のせい?」っ
てくらいの短いキスだったんだけど、その後なんど頭の中でリピー
トしたことか。

「また誘うから」

って別れ際のセリフといっしょに。

恋は甘美。

でも悲しいかな賞味期限というものがあるらしい。

今でも好きだよ。この人のこと。嫌いな人と我慢してつきあうなん
て事はしない。でももうキスは甘くないんだな。

それを言うなら男1のキスだって最初はものすごく甘かった。
かけがえのない人だと思った。大好きだった。

どこに境目があったのだろうか。

くちびるとくちびるを接触させるだけの行為なのに思い入れしすぎ
なのかなあ、わたしたちって。でも判断基準にはなってるかな。ち
ょっといいかなこの人、と思っててもキスしたとたん目が覚めるっ
てこと何度かあったな。あ、この先は無理だって。


男3のキスが今でも甘いのはめったに会えないからだろう。
引き延ばされた蜜月ってとこか。


実際、唾が甘いわけじゃないしさ。気のせい気のせい。ただのかん
違いッスよ! でもかん違いさせてくれるところが恋のだいご味と
言えないこともない。時間をかけてそれに気づくのだ。


男3とならんで眠りについて1時間ほど後に男のくちづけで目を覚
ました事がある。寝つきが悪く自分だけ眠れなかったらしい。その
まま2度目の性交をしたのだが、キスで起こすなんて、

おみゃー王子様か!!


ああ、でも一番甘くてドキドキしたのは想像の中のキスかもしれな
いなあ。小さいころのね。

ふたりはいつまでもしあわせに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。

物語はキスで終わっても、わたしたちはそうはいかない。

キスから始めよう。


いっぺんに書ききれなかった。
また書きます。読んでね。

月子